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Project Stories社員座談会

新製品開発の裏側”超”モノづくり部品大賞
「機械・ロボット部門賞」を受賞し、
当社の代表工具である、高硬度鋼加工用ボールエンドミル「EPDBEH-TH3」。
開発に携わった4名の方に、開発の裏側やモノづくりにかける想いなどを
語っていただきました。

Project Members

01工具をより長く使うために
技術を駆使してつくられた「TH3」

切削工具の開発とはどのようなことをするのでしょうか?

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T.S

切削工具は、平たく言えば金属を削る道具です。そのため、使えば使うほど工具は消耗していき、交換する必要が出てきます。従って、まずお客様に喜ばれる工具は、耐摩耗性のある「長く使える工具」です。新製品のコンセプトを考える際は、従来製品よりもいかに工具の寿命を延ばすことができるかを大前提としています。これはTH3にも言えることですね。
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K.T

当社の工具は、金型を削り上げるための製品を多く揃えています。金型と言っても様々なものがありますが、携帯の部品などは小さいため、それをつくるための金型も小さくなります。そのため、工具が小さくなれば細くなり、折れやすくなります。しかし、TH3は特に「小さくて硬い」ものを削りたい時に真価を発揮します。その秘訣は、コーティングと形状の両方に新技術を用いている点にあります。
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T.S

工具におけるコーティングとは、様々な金属をイオン化し、工具の表面にナノレベルの被膜を生成することにより、工具の耐摩耗性を飛躍的に向上させる技術です。微細な組織になるほど、良好な耐摩耗性を得ることができます。今回の「TH3コーティング」は、従来よりもさらに微細な組織化に成功したコーティングなのです!
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K.T

今回採用した「ダブルフェイス形状」は、従来の工具の刃先に、より「強さ」を持たせた形状で、硬い材料をより長い寿命で削ることが可能となりました。この形状とTH3という新しいコーティングの組み合わせで、より大きな相乗効果を得ることができました。工具寿命が飛躍的に向上したため、お客様にとっても長く使えることからコスト面で大きなメリットとなっています。

TH3を開発するに至った「きっかけ」を教えてください。

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T.S

このコーティングシリーズは、2001年に高硬度鋼向けに開発された「TH」が元となっています。発売当時から「TH」はお客様からの評価が高く、コーティングとして確固たる地位を築いたことから、社内ではある意味「神話的」な存在でした(笑)その10年後に2代目の「ATH(Advanced TH)」が開発され、今回私たちは3代目となるTH3を開発することになりました。コーティング技術は日々進化しているため、新しいコーティングを開発した瞬間から、次世代のコーティング技術の開発は始まっています。
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T.I

営業から見ても、TH3は「TH」の伝説を受け継いでいると思います。お客様との話の中でも「THといえば日立」というフレーズはよく耳にしますね。私が営業として駆け出しだった時も、お客様から「硬い材料にはTHだね」と言っていただいたことをいまでも覚えています。そういう意味でも、「TH」は高硬度鋼向けのコーティングとしてはフラッグシップと言っても良いと思います。

02すべての部署と連携した「モノづくり」

TH3を開発された時のみなさんの関わりと、個人のお仕事を教えてください。

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T.S

私が所属する製造部では、2代目のATHよりもさらに優れた耐摩耗性を目標にしていました。基礎研究の段階から、どうすればコーティングの寿命を延ばすことができるかを検討し、「組織」に着目して開発してみることにしました。そこで、開発技術部へ工具の形状開発をバトンタッチしました。
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K.T

製造部が開発したコーティングをどのような形状で製品化するかを開発技術部で検討するのですが、コーティングと形状の相性によっては製造部へ再検討をお願いする場合もあります。そこでお互いが議論を重ねることで、「これはいけるな!」と自信を持って言える組み合わせを生み出します。今回のTH3ではお客様目線を追求し、営業担当者にも開発に携わっていただき、いくつかの形状パターンを検討しました。その結果、当社のストロングポイントである「ボール型」の形状に決定しました。
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R.N

次に、開発技術部で出来上がった試作品を量産化するために、生産技術の出番がやってきます!生産技術の主な仕事は、安定して同じ品質を保ちながら高効率生産ができる製造ラインを構築することです。いくら素晴らしい形状、性能の試作品が完成したとしても、同品質の製品を量産に落とし込むことができなければ意味はないのです。
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T.I

社内の生産体制が整ったら、お客様に試作品を評価していただきます。営業は飛行機の離陸で例えると、発売という離陸をスムーズにするために滑走路に出たところでユーザーテストを行い、十分な加速ができるよう離陸を後押しする役割です。今回の「TH3」は全国15社のお客様に評価いただき、百発百中の高評価を得ることができました。3代目「TH」ということで、お客様の間でも話題となっていました。

03各部署がそれぞれの「想い」をリレーし、
完成する新製品

新製品開発における「やりがい」について教えてください。

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T.S

私たちの業界は、世界中に競合他社が存在し、それぞれがこれまでにない製品をつくろうと常にしのぎを削っています。そんな中、まさに自分の手に、「世界最先端の製品を生み出し、世界のお客様に届けられる可能性」が宿っている。それは大きなやりがいであり、モチベーションですね。もちろんそれは簡単ではありません。TH3の開発においても、1バッチ約4時間かかる耐摩耗性向上のための試験を500回程行い、初めてやっと「これだ!」と思える結果にたどり着きました。499回の失敗の末にたどり着く、ひとつの答え。まさに数年間の苦労が報われる瞬間ですね。
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K.T

新製品の開発では、T.Sさんが担当するような「新しいコーティング」開発を軸に性能を向上させる場合と、私が主に担当する「工具の形状」を軸に新製品開発に取り組む場合があります。TH3で言えば、T.Sさんが、工具寿命を約2倍にしてしまうような本当にすごいコーティングを開発してくれました。だからこそ、形状の方でもそのとてつもない努力に応える形状を考え、きちんと製品化を実現しなければなりません。私の新製品開発のやりがいは、やはり開発に関わる多くの人の力とそれにかける想いを繋ぎ、ひとつの商品をつくり上げていく工程にあると思います。
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R.N

生産技術の立場としても、K.Tさんと近いものがあります。私たちは、開発の方が考えだした製品の形状を元に、製造用のプログラムをつくるのですが、その通りに製造するのが難しいことが多々あります。しかし、ここまで開発に関わってきた方々の苦労を無駄にしないために、開発技術部の方とも何度も相談しながらシミュレーションを繰り返します。その結果適した製造工程にたどり着いた時、ここまで考えられたものを製品として形にできる喜びがありますね。
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T.I

みなさんと違って、営業は製品をつくることはできません。しかし、開発に携わった方々の想いを引き継ぐことができます。営業として掴んだお客様の困りごとと苦労の末に開発された製品を結びつけ、お客様に喜んでもらう。営業には、新しい製品を世に広められるというやりがいがあると思います。
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K.T

どんなにすごいものでも、形になってお客様のところへ届かないと意味がないのです。その点、営業の方も含めてすべての人がひとつになることで、MOLDINOらしい製品をお客様に届けられているのだと思います。

04現状を超え、高みを目指す

今後の目標について教えてください。

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K.T

MOLDINOの売りは、開発技術力です。その証として、工具業界で唯一、“超”モノづくり部品大賞を初回から16年連続で受賞しました。これは切削工具に限らず、モノづくりに関わる革新的な部品・部材に授与される賞なのですが、TH3は努力の甲斐もあり2018年度“超”モノづくり部品大賞「機械・ロボット部門賞」を受賞することができました。しかし、目標は、同コンテストの中でも最優秀賞にあたる「大賞」を獲ることです。これまで切削工具が「大賞」を獲得したのは、2008年に当社が受賞した「エポックマイクロステップボーラー」ただ一つです。非常にハードルは高いものですが、世界最先端の技術を追い続ければ、いつか叶うものだと考えています。
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T.S

私の目標も、次の最先端技術を生み出すことですね。そのために大切なのは、楽しみながら日々の仕事に向き合うことだと思います。楽しい方が必ず仕事のパフォーマンスが上がります。そんな環境を、これからのMOLDINOの開発技術力を担う若手メンバーのためにつくり上げていきたいと思っています。
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R.N

これまでも様々な経験をしてきましたが、今後は更にいろいろなことを吸収していき、いつか世界をリードする「とんがった」製品を届ける、この会社になくてはならない人材になっていきたいです。
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T.I

営業としては、こうした様々な製品をもっとお客様に伝え、広げていくことが目標です。お客様にとっても、単なる工具屋さんではなく、当社の持つ様々な製品を組み合わせ、お客様のモノづくり自体を変えるような提案をして、世の中のモノづくりの常識を変えていきたいです。

05世界の最先端を走り、チャレンジし続ける

最後に学生のみなさんにメッセージをお願いします。

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T.S

当社の面白さは、業界の中で金型に特化した切削工具を取り扱っているところです。ニッチな業界とも思えますが、世の中の多くのものが金型からできており、社会への貢献度は非常に大きいです。また、切削工具が使用される業界の中でも、最高クラスの精度を問われるのが金型です。そこに特化することで、まさに世界最先端の技術を追い続け、世の中の誰もやっていないことにチャレンジできるチャンスが待っています。そんな魅力をぜひ、一緒に体験してもらいたいですね。
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K.T

そういった意味では、開発技術部では入社して間もない社員に対しても開発テーマをひとつお任せするので、若いうちからやりがいを感じる環境があると思います。私自身、若い頃から色々な商品の開発に携わる機会が多くあり、今回のTH3ではメインの開発者として完遂する貴重な経験が得られました。当社は世の中から見れば大きな会社ではないかもしれません。しかし、だからこそ、ひとつの製品を初めから終わりまで責任を持って見届けられる環境は、開発者にとって面白い環境だと思います。
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R.N

たしかに、会社の雰囲気として、若手社員に対しても大きなチャレンジをさせてくれる風土があります。入社間もない頃エンドミルについて勉強していると、上司から好きなエンドミルをつくってみろと言われたことがありました。何の知識もないまま、こうしたら面白いかもしれないと自分で図面を描き、実際に試作をつくり、加工してみるところまで経験させていただきました。そんな「失敗しても良い、まずはトライしてみろ」という風土が、この会社の良さであり、強みなのだと思います。
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T.I

私自身、入社時は、工具の知識が全くありませんでした。それでも今、世界最先端を目指す工具に関わる仕事をしています。研修体制や周りのサポートが充実していますので、切削工具の知識が無くて不安な方も、まずは気軽に来てほしいですね。また、先ほどT.Sさんからもあったように、金型は世の中の多くのものに繋がっています。現在担当しているお客様が開発している金型が、数年後、世の中に溢れるようなものを生み出すかもしれない。何年後かに、あの製品の元になったのは自分の仕事だったんだよと誇れる日が来るかもしれない。そんな常に変化する世の中とモノづくりを前向きに捉えられる人が、当社に向いているのではないかと思います。ぜひ、変化する最先端のモノづくりに向きあう仲間として、一緒に働いてみたいですね。

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